「檸檬」に思いを寄せて

月の始めに京都BALの丸善に行って

一か月分の本をまとめ買いすることにしている。

実際、本を買うのだけが目的なら

少し足を延ばして梅田まで行くのが一番。

でも裸人は、京都丸善が好きなんだ。

なぜかというと昔、梶井基次郎の生誕だか没後だか

何周年かのフェアがあったときに、

丸善の棚にひっそり檸檬が置かれていたことがあって。

すごくオツなことをすると思わない?

単純だけど、それがきっかけで丸善贔屓に。

 

御所の横を通って、二条の方へ寺町を下がると、

なんか感慨深いような、不思議な気分になってくる。

梶井基次郎もこの道を歩いたのか。

あの繊細な人の目から見たこの通りは

どんなふうに映ったんだろう?

何を思いながら歩いたんだろう?」って。

残念ながら、作中で檸檬を買った店は

数年前になくなってしまったけどね。

 

京都って、古臭くて、規制のせいで発展しなくて、

そのくせ妙にごみごみしてて、暑くて寒くて、

古くからの住民は意地悪で、観光客も多くて、

とにかく暮らしにくくて不便な街だけど、

こうやってちょっとしたことに思いを馳せながら

街をぶらぶらできるっていうのは、

それはそれで幸せなことだ。